中学1年生は定期テストの重要性を知らない
中学校では5月中旬~6月頃に第一回の定期テスト(定期考査)が行われます。でもついこの間まで小学生だった中学1年生にとって、定期テストと言われてもピンとこないで、たいして勉強をしないで試験を受けてしまう生徒も多いようです。
しかしこの最初のテストを勉強しないで受けてしまうのは、非常にもったいないことなのです。なぜなら、中1最初の定期テストは、公立であれ、私立であれ、中学3年間の中で、一番点が取りやすい、一番簡単なテストだからです。
たとえば英語。公立中学の中1の試験は、たいていアルファベットを書かせたり、名前をローマ字で書かせたり、と英語の試験とは思えないような簡単な内容が中心です。
数学もしかり。小学校の復習に加えて、正負の数といった、基礎的な事柄だけです。ですので、どちらもちょっとだけ勉強すれば、満点か、それに近い点が取れてしまいます。普段から授業をしっかり受けている生徒なら、何もしなくても高得点が狙えるでしょう。
私立の中高一貫校の場合、一般的に公立中よりは進度は早いです。それでも中1の最初のテストはその後のテストに比べると範囲が狭く、非常に取り組みやすいのです。高得点が取りやすいという面では、公立中と同じです。
しかし公立中でも私立中でも、普段から怠けてしまい、その上、中間テストを甘く見て、何も対策をとろうとしない生徒がいます。
こういう生徒たちは、少し我慢して少し頑張れば高得点が取れる絶好のチャンスを逃しているのです。 もったいないことです! こんなに簡単なテストは3年間、二度とやってこないのに!
高校受験に直結する内申点
公立中の場合、3年後は高校受験が控えています。
そしてやっかいなのは、公立高校を受験する際に、内申点が入試の点数の一部として計算されるということです。
内申点とは、簡単に言えば通知表上の学校の成績のことです。
教師は、成績をつける際、生徒の授業態度や提出物なども考慮に入れますが、なんといっても定期テストの比重が高いです。 定期テストで高得点をとっても授業態度などが悪いと良い成績が取れないことはありますが、授業態度がどんなによくても定期テストの点が悪ければ、やはり良い成績はとれません。 良い内申点をもらうためには、どうしても定期テストで高得点を取る必要があるのです。
この内申点ですが、都道府県によって高校受験に関する取扱いが異なります。例えば東京都では、中1、中2の内申点は、都立高校受験には関係ありません。中3の内申点だけが、入試の点数の一部として計算されます。
しかし東京都のような方法を取る県は少ないです。
47都道府県のうち、39が中1~3の3年間の内申点を入試の点数として加算します。 39もの県で、中1の成績が高校入試に影響してしまうのです! つまり39もの県で、中1のうちから高校入試の一部が始まっているというわけです!
これは、ついこの間まで小学生だった新中学1年生も、真剣に定期テストを受けなければならないことを意味しますね。
中学1年生が受ける5~6月の最初の定期テスト(中間テスト)は、ちょっと頑張れば高得点が取れて、しかもその少しの努力を惜しんで怠けてしまうと高校入試に悪影響を及ぼしかねない、大切なテストなのです!
慌てて塾に行く必要はない
上に述べたように、定期テスト(定期考査)は中1の初回から重要です。でもだからといって、慌てて子供を塾に入れる必要はありません。 1年生は体力もまだ十分ではありません。 夜遅くに塾に行くことで生活リズムが乱れ、子供は疲弊してしまいます。 また塾に行っていることで学校の授業をつまらなく感じてやる気をなくしたり、「もう知っているから」と思って学校では怠けてしまうなど、悪影響すらあります。 まずは学校の授業をしっかり受け、日々家庭で復習をする姿勢を身に付けることが大切です。
教材も、定期テスト対策ということであれば、市販の参考書など、まずは買う必要はありません。
教科書と学校配布のワークブック(問題集)などで十分です。 教科書やワークブックには、学習の重要ポイントが満載です。 しかも教師によっては説明してくれない各単元のポイントが、うまく解説されていたりもします。
例えば英語の教科書には文法事項の区切りごとに「文法のまとめ」といったページがあります。これをよく読むだけでも、授業では分からなかった重要ポイントを理解することができます。
塾に行かなくても大丈夫です!
ちょっとの努力を惜しまずに、最初の定期テストから好スタートをきりましょう!