今回は、私の愚息が英語はDUO3.0だけで東工大に受かってしまったというお話しです。
豊富な受験参考書
大型書店の大学受験コーナーには、おすすめしたい優良な受験参考書が豊富にあります。我が子は物理を、「物理のエッセンス」と「名門の森物理」で予備校を使わずに得意科目にしました。各出版社や著名な先生が競い合って、時代と共に変化していく入試の傾向に合わせて良書を生み出し続けてくれるので、受験生は予備校や塾に頼らずに受験勉強をすることができます。
経済的なゆとりがあり、かつどうしても予備校・塾に行きたい人はそうするのも良いですが、我が家のようにお金がないご家庭は、予備校・塾に行かない、行けないことを悲嘆する必要は全くありません。市販されている優良な受験参考書を使って、難関大学に合格することが絶対にできます!
問題は、数ある受験参考書や問題集の中から、何をどうやって使っていくかです。
理系は英語に手が回らない?!
家庭で先取り学習をしていたので、私の息子は中学の段階で、高校初級程度の英文法の理解はしていました。先取りのお陰で高1の初め頃の英語の成績は、学校でも模試でも上位につけていました。しかし英語が専門の私からすれば、息子の英語力なんぞ貧相なものだと分かっていました。ですので「勉強しないと、すぐに追いつかれるよ!」と度々脅しました。どの参考書がおすすめかについても、具体的にアドバイスをしました。
ところが愚息ときたら、英語は学校の授業を受ける以外、何もしようとしないのです。「さぼっているな~!」と怒りたい気持ちでしたが、実はさぼっているわけではなく、他教科の負担が重くて英語を勉強する余裕がなかったのです。
理系は数学・物理・化学にかなりの時間を割かないといけません。理系は本当に大変です!!数学・物理・化学に時間をとられて、英語に手をつけることができないでいました。
そんなわけで先取りの貯金は簡単になくなり、私の予言通り(笑)、息子の英語の成績は下がっていきました。それでもやはり理系科目の勉強に必死で、英語の受験対策をする余裕がないまま、時間が過ぎていったのです。
高3になり、模試で点をとれない自分にようやく危機感を感じたのでしょう。英語も勉強すると、やっと決心してくれました。
ところが息子が言うには、「英語は単語だけやる!単語だけ覚えれば点は取れる!」とのこと。「やるのは単語だけなんて、甘すぎるのでは!?」と私は不安に思ったのですが、高校入学後は勉強内容について私の出る幕はなくなっていたので、本人に任せました。模試を受けてきた感触で、「単語が分かってさえいればこの問題は解けたはずだ」と考えたらしいです。
DUO3.0とは?
我が子が英単語学習用に選んだのは、DUO3.0でした。
DUO3.0はとてもユニークです。1572語の単語と997個の熟語を重複がないように巧みに組み合わせて作った、560の例文からなる、「単語・熟語集」あるいは「例文集」です。
私だったら、単純に単語を一つずつ覚えていくタイプの「ターゲット1900」のような英単語集の方が使いやすくておすすめだと思うのですが、息子は友達がDUO3.0を使っているのを見て、絶対にこれ!と気に入ってしまったのだそうです。
DUO3.0のすごいところ
DUO3.0は画期的です! 560の例文を暗記することで:
★単語だけでなく熟語も同時に身に付く
★単語や熟語を例文の中で覚えていくことで、それらの使い方もマスターできる
★例文に含まれる重要な文法事項や構文も身に付く
★例文を暗記することで、英語特有の表現も自然と身に付く
DUO3.0が良いのは、なによりも例文がおもしろい!一般的な単語集で単語を覚えるのは単調な作業になりがちですが、DUO3.0は文章自体がおもしろいので、飽きないし、暗記をするにも印象に残りやすいので覚えやすいと思います。
DUO3.0の中身
具体的にいくつかの例文を見ていきましょう。
In fact, the inhabitants have been exposed to radiation.
(実は、住民たちは放射能にさらされてきた。)
短い文ですが、これを覚えるだけで、次のポイントも押さえられます。
・in fact = 「実は」の意で、文頭で使う。
・inhabitant = 「住民」の意で、可算名詞である。
・expose = 「~を・・・にさらす」の意で、前置詞 to と共に使う。
・radiation = 「放射能」の意で、冠詞をつけない。
・現在完了形の受動態 → [have + been + 過去分詞] で表す。
DUO3.0では、1つの例文を覚えるだけで、同時にたくさんのことを身に付けられることが分かりますね。
He has a habit of biting his nails. It’s absolutely disgusting.
(彼は爪を噛む癖がある。あれには本当にぞっとするよ。)
おもしろい内容の文ですね!勉強しながらクスッと笑ってしまいそうです。この文を覚えることで、次のポイントが身に付きます。
・habit = 「習慣、癖」の意で、意外にも冠詞 a と共に使う。
・bite = 「噛む」の意で、ここでは前置詞 of の後に続くので、動名詞にする。
・nail = 「爪」の意で、可算名詞である。
・absolutely = 「まったく;本当に」の意で、disgusting のように「とても」の意を含む形容詞などを修飾する。
・disgusting = 「実に嫌な、気分が悪くなりそうな」の意。
“It’s absolutely disgusting.” などは会話では頻出ですが、なかなか勉強する機会のない言い回しです。DUO3.0は会話表現もカバーしているのが魅力的です。
No sooner had I sat back and relaxed than my wife asked me to do the chores.
(イスにゆったり座ってくつろいだ途端、妻に雑用を頼まれた。)
ここでは、大学受験英語には欠かせない、no sooner ・・・than ~(・・・するとすぐに~)という構文が使われています。この構文は、どんな受験参考書でも取り上げる重要事項の1つです。厄介なのは、No sooner が文頭に来ると倒置が起こるというややこしい点です。上の例文では、本来は
I had no sooner sat back and relaxed than ~ とあるべきですが、No sooner が文頭に来たせいで、I と had がひっくり返って、 No sooner had I sat back and relaxed than ~ という受験生が躓きやすい文になっています。
倒置のような文法事項は、「理解」しただけでは得点に結びつきません。例文ごと覚え込んで体に染み込ませておいて初めて、試験の時に正しく文章を作ることができます。 DOU3.0で例文を丸ごとマスターすることで、英作文力もアップすること間違いなしです。
DUO3.0の効果
我が子は自分の宣言通り、英語はDUO3.0をしただけで受験本番を迎えました。
私は当初「単語を勉強しただけでは不十分だ」と心配したわけですが、DUO3.0をマスターすることで、単語力だけでなく、熟語力、文法力、構文力、英作文力も伸ばしていったのでしょうね。本人の言うとおり、DUO3.0だけで第一志望の東工大に合格することができました。我が子の「単語だけ勉強する」という決断は初めは無謀に思われましたが、東工大の英語は難しくないので(長文自体は超長いですが)、東工大合格のためには無駄のない良い戦略だったのかもしれません。
ちなみに英語の問題は東工大より難易度の高い、早稲田理工と慶応理工にも合格しました。理系の受験生は英語が苦手な人が多いので、DUO3.0をしただけで早慶も十分だったのかもしれません。 こんなすぐれモノのDUO3.0ですので、単語集を選ぶ際は候補の1つとすることをおすすめします(^^)/
DUO3.0の使い方
もしDUO3.0を使うなら、CDも必要です。
「基礎用」と「復習用」の2種類が市販されていますが、息子は「復習用」のみ利用しました。まだ高校1~2年生で時間に余裕があるなら、「基礎用」からじっくり取り組むのもいいかもしれません。時間がないなら「復習用」だけで十分でしょう。
「基礎用」「復習用」いずれにしても、繰り返し聞くことで、リスニングの練習にもなります。CDを聴きながら、シャドーイングで徹底的に発音練習をしましょう。例文を理解しただけでは意味がありません。文がスラスラと口から飛び出すようになるまで、しっかり覚え込んでいくことが大切です!